電気自動車のバッテリーの材料『コバルト』は石油よりも早く枯渇する?

コバルトと言えば、『コバルトブルー』でおなじみの青い鉱物です。
コバルトの語源は、ファンタジー世界でよく出てくる魔物『コボルト』だと言われており、魔物の名前が付いている理由として、人体に毒性があるためです。
余談ですが、私の中で『鉱物の青は毒!』ってイメージがあります。
コバルトも毒性あり、カルカンサイトも毒性あり、青くないけど昔のサスペンスドラマでよく出てきてた青酸カリも青って字が入ってます。(緑青には毒性はないようですね。)
コバルトはリチウムイオン電池の主要な材料として使用されており、スマートフォンや電気自動車などの高性能電子機器に欠かせない金属元素です。
しかし、コバルトは地球上での供給量が限られており、その需要が増え続けることで、コバルトの枯渇問題が深刻化しています。
コバルトが枯渇している原因
コバルトが枯渇している主な原因としては、電気自動車の急速な普及や、再生可能エネルギーの需要の増加が挙げられます。
これらの分野においては、リチウムイオン電池が重要な役割を果たしています。
一方で、コバルトはリチウムイオン電池に欠かせない材料の一つであり、コバルトが不足すると、リチウムイオン電池の製造に必要な量を確保することができなくなります。
コバルトの需要が増えるにつれ、供給が追いつかなくなり、価格が高騰する可能性があります。
コバルトは紛争鉱物
さらに、コバルトは主にコンゴ民主共和国などの政治的に不安定な地域で採掘されているため、労働者の搾取や環境破壊などの問題が深刻化する可能性があります。
紛争鉱物に関する紹介は以下の記事を参照ください。
コバルトは石油よりも早く枯渇すると言われている
そんなコバルトは約40年以内に世界のコバルト鉱床の90%で枯渇すると言われています。
そして、そのスピードは電気自動車や太陽光発電の普及とともに加速しています。
コバルトの枯渇は地球上からコバルトが消えてしまうわけではなく、あくまでも人間が採掘可能な場所にあるコバルトが掘りつくされてしまうという意味です。
地球深部にあるコバルトや海底に存在するようなコバルトは、まだ今の技術では採掘できなかったり、採掘に多額の費用がかかってしまい、採算が取れないため、採掘されずに残ります。
それでも我々の手に入るコバルトが掘りつくされてしまうことには変わりありません。
これらの問題に対処するためには、リチウムイオン電池に使用されるコバルトを代替する材料の開発や、リサイクル技術の改良が必要です。
また、コバルトを含まないリチウムイオン電池の開発も進められています。
これらの取り組みが進むことで、コバルトの枯渇問題に対処することができると期待されています。