日本の海底に眠るエネルギー『メタンハイドレート』をご紹介

日本は島国で海洋国家です。
しかし、海上油田があるわけでもなく、エネルギー生産という点では不利な立場にあります。
ただ、諦めるのはまだ早いです。
日本近海の海底には『メタンハイドレート』というエネルギーが眠っていると言われています。
メタンハイドレートとは
メタンハイドレートは「メタンクレイス」とも呼ばれる水分子の中にメタン分子が結晶化してできた固体のことを指します。
メタンハイドレートは『低温かつ高圧』という条件下で形成される固体であるため、氷のような物質と表現されることがあります。(海底で形成される場合、水温0度以下、海水圧100気圧以上)
しかも、低温かつ高圧という安定した環境から取り出すと、メタンが放出されるため、さながら氷が溶けだしたような状態です。
メタンハイドレートの主成分である『メタン』はLPガスの原料でもあるため、日本の海底には大量の天然ガスが眠っている状態となります。
メタンハイドレートの懸念点
先にも述べたように、メタンハイドレートは低温かつ高圧の環境下で形成され安定を保つため、温度が上昇したり圧力が低下すると、メタンを放出すると言われています。
このメタンが厄介で、人間にとって生活に必要なエネルギー源となる一方で、地球にとっては温室効果をもたらします。
その温室効果はGWP(温室効果ポテンシャル)で二酸化炭素の28倍と言われます。
メタンハイドレート実用化までの課題
このメタンハイドレートはまだ実用化されていません。
あくまで日本近海の海底に存在すると言われているだけで、すでに掘っているというわけではないんです。
では、なぜ実用化されないのかですが、これには様々な課題があるためです。
メタンハイドレート実用化の課題:技術的課題
メタンハイドレートの採掘・輸送には、前述の通りメタンを放出させないように、高度な技術が必要になります。
現在の技術だと、それを実現するために多くのエネルギーが必要になり、エネルギーを採掘するために大量のエネルギーを消費するという本末転倒な状態になってしまいます。
メタンハイドレート実用化の課題:環境的課題
メタンハイドレートは地球の深海や北極圏などに存在しており、その採掘や処理には環境リスクが伴います。
また、メタンハイドレートが不安定になってメタンが放出されると、二酸化炭素の28倍も温室効果を持つため、地球温暖化に影響するため、環境保護の観点からも慎重に扱われる必要があります。
メタンハイドレート実用化の課題:経済的課題
メタンハイドレートは、天然ガスと同様に、その価格が国際市場の需要と供給の変動によって大きく変化するため、商業化には不確実性が伴います。
このような理由からメタンハイドレートは実用に至っていませんが、土地の狭い日本がエネルギー国となる重要な資源なので、温かく見守っていきたいと思います。
ちなみに、私は海洋開発系の企業に投資という形で応援しています。